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私はスパイ CHRONICLES #411 [ボブ・ディラン『クロニクルズ』]

千本浜 2004年7月28日

 →Chapter 5: River of Ice

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Pankake was right. Elliott was far beyond me. There were a few other Ramblin' Jack records that he had, too--one where he sings with Derroll Adams, a singer buddy of his from Portland who played banjo like Bascom Lamar Lunsford and sang in a dry and laconic witted style suiting Jack perfectly. Together they sounded like horses galloping.

パンケイクは正しかった。エリオットは僕をはるかに凌いでいた。パンケイクは他にも数枚ランブリン・ジャックのレコードを持っていた。その一枚では、ポートランド出身の彼の仲間、デロル・アダムズと歌っている。バスコム・ラマー・ランスフォードのようにバンジョーを弾き、簡潔で鋭い歌い方が完璧にジャックと合っていた。二人が一緒に歌うと、疾走する馬のように聞こえた。
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 →Wikipedia: Derroll_Adams

デロル・アダムズの写真がいいですね。
2000年に亡くなっているそうです。

 →On the Trail of Bascom Lamar Lunsford

 →Folkways: Bascom Lamar Lunsford 試聴できます

このレコードとまったく同じかどうかわかりませんが、同じ音源を使用したと思われるCDがありました。
日本では出ていないようですが、試聴できます。

 →Ramblin' Jack Elliott & Derroll Adams - Early Sessions

Ramblin' Jack Elliott & Derroll Adams - Early Sessions

Early Sessions
~ Ramblin' Jack Elliott & Derroll Adams
1. More Pretty Girls Than One
2. Roll on Buddy
3. Death of John Henry
4. Salty Dog Blues
5. Talking Blues
6. I'm Gonna Walk the Street in Glory
7. Cigarettes and Whiskey
8. Danville Girl
9. Worried Man Blues
10. San Francisco Bay Blues
11. Roll in My Sweet Baby's Arms
12. I'm Going Down the Road

ジャック・エリオットが一人で歌う時とは、だいぶ感じが違かったようです。
やはり昨日書いた"JACK takes the floor"の方が強い印象を受けたようで、パンケイクもそれを繰り返した聞かせたそうです。
ジャケットに写ったジャックの目が何かを語りかけているのが気になったと書いています。

ディランは新しく知った才能に驚き興奮するとともに、自分と比べてしまいかなり落ち込みました。
パンケイクの部屋を出て、寒い通りをさまよいます。

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A few weeks later Pankake heard me playing again and was quick to point out that I didn't fool him, that I used to be imitating Guthrie and now I was imitating Elliott and did I think in some way that I was equivalent to him? Pankake said that maybe I should go back to playing rock and roll, that he knew I used to do that. I don't know how he knew--maybe he was a spy, too, but in any case, I wasn't trying to fool anybody. I was just doing what I could with what I had where I was. Pankake was right, though. You can't take only a few dance lessons and then think you are Fred Astaire.

数週間後、パンケイクはまた僕が演奏しているのを聴いてすぐに指摘した。馬鹿にするなよ、前はガスリーの真似をしていたが、今はエリオットの真似をしているじゃないか。自分が何かエリオットと同等だとでも思っているのか。昔ロックン&ロールをやっていたそうだから、そっちに戻るべきじゃないのか。どうしてパンケイクがそんなことを知っているのかわからなかった。たぶんパンケイクはスパイだったのだろう。でも、僕は誰も馬鹿にしたりなんかしてなかった。僕はただ、自分のいる場所で、自分が持っているものを使って、自分ができることをしていただけだ。しかし、パンケイクは正しかった。少しダンスのレッスンを受けただけでフレッド・アステアになれるなんてことはない。
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 →フレッドアステア

おもしろいですね。
ディラン青年の行動もおもしろいし、当時を振り返る今のディランの筆致も妙に楽しげです。

"No Direction Home"を観ればわかりますが、ミネアポリスからニューヨークのグリニッッジビレッジに至る間のディラン青年は、おそろしい勢いで他人の優れた部分を吸収して成長していったようです。

ふと、六文銭の「私はスパイ」という曲を思い出しました。

 →ミュージカル「スパイものがたり」~ へのへのもへじの謎 ~

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