暗闇の思想 [日常雑記]
先月のことだが、2階のトイレの明かりが点かなくなった。
電球を替えてもだめ。
あら、器具が壊れたのね。
幻泉館は築四十年以上、2階は増築だが、それでも三十年以上経っている。
多少はガタが来てもおかしくないのだが、しっかりしたものだ。
亡くなった棟梁が惜しまれる。
ありがとう、元気ですよ。

それはともかく、私の生息空間は2階なので、これは不便なのである。
夜間に狙いが定まらない。
早く知り合いの電器屋さんに連絡しなければと思いながら、ホームセンターで非常灯を買った。
単3電池2本を入れて、タンクにシールで貼り付ける。
おお、ほの明るい。
結構雰囲気がいいぞ。
夜が暗いものだということを思い出す。
あれは1980年のことだったろうか。
原子力発電に抗議するということで、ささやかな電気料金不払いを行なった。
アルバイト先で氷を買って帰り、扇風機も蛍光燈もない夏を過ごした。
東京の夏は暑い。
ろうそくの明かりでは本は読めない。
あの夏以来の暗闇だ。
もっとも、携帯電話でウェブブラウジングをしたりしているのだから、あまり大きなことは言えない。
非常灯が暗くなって乾電池を入れ替えたころ、知り合いの電器屋さんに通りで声をかけられた。
口頭で修理を依頼して、一件落着。
2階のトイレに明るさが戻ったのだが、なんだかものたりないのである。








谷崎潤一郎の「陰影礼讃」で、日本のお手洗いがほの暗いことを「礼讃」していたような記憶があります。
そんな感覚でしょうか。明るいと物足りないっていうのは。
by mokekek (2005-12-16 19:04)
あまり谷崎的ではないんですよ。
本を読めたりする方が好きなんで。
時々は電気を使わない生活を思った方がいいな、ぐらいの意味です。
by 幻泉館主人 (2005-12-16 20:07)