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谷中村滅亡史 [書籍と雑誌]





【追記】No.4

夢を見た。



高校時代の友人たちと故郷の町にいる。

空に積乱雲がにょきにょき育つ。



「あれはCGだよ。」



誰がやっているのか、本当の夏空のように見える。

あれは作り物なんだ。



空が光り、キノコ雲が育つ。

ゆっくりと空を覆っていく。



「あれもCGだ。」

「やめさせなきゃ。」



マンションの窓でDJを気取る若者が目に入る。

あいつだ。

僕たちは彼に向かって叫び声を挙げようとするのだが、声にならない。

声にならない。



【追記】No.3

女子レスリング72キロ級浜口選手の3位決定戦、圧勝でした。

右目が腫れ上がっています。

試合中わあわあ叫び続けていたお父さんが、勝った後は口をもぐもぐさせてガルルとにらんでいました。



印象に残る銅メダルです。



【追記】No.2

レスリング女子63キロ級の伊調馨もポイントを先行されながら、逆転の金。

いやあ、粘り強い選手ですね。



あ、今夜はオリンピック見ないつもりだったのに。



【追記】No.1

女子レスリング55キロ級の吉田沙保里選手!

攻めまくって、気持ちの良い完勝。

いや、すっきりしました。

コーチを肩車したり、トンボ切ったり、武道だったら怒られるようなことをして喜んでいるのも、嬉しいです。








稀代の悪法と呼ばれる法律がある。

たとえば土地収用法。

足尾鉱毒事件で揺れた村は1907年に土地収用法に基づき強制買収され、水没してしまった。

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 明治十四年、時の栃木県知事藤川為親氏が,渡良瀬川の魚類を食ふことを禁じて、鉱毒問題の先鋒に叫んで、不幸島根県に追われてより、年を閲すること爰に二十有六年、鉱毒の被害の激甚地として、はたまた瀦水地問題の紛争地として、多年紛糾錯綜の渦中に投ぜられ、何時解決せらるべしとも見えざりし、栃木県下都賀郡谷中は、明治四十年七月五日、遂に政府の兇暴無残なる毒手に破壊せられ終んぬ。

 ああ谷中村は遂に滅亡したるか、二十年の久しき、政府当局の暴状を弾劾して、可憐なる村民のために尽悴し来れる、老義人田中正造翁が熱誠は、空しく渡良瀬川の水泡と消え去るべきか。

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上記は荒畑寒村著『谷中村滅亡史』が1970年に新泉社から復刻された版からの「緒言」の引用である。

私の手元にあるのは1981年の第17刷なので定価1200円。

現在は岩波文庫から定価525円(悪税込)で出ている。



当時まだ二十歳だった荒畑寒村さんが著わした『谷中村滅亡史』は、たかが抽象的概念にすぎない国家が具体的な姿をかいま見せるときにどれだけ恐ろしいものか活写している。

成田空港建設でも同じように強制代執行が繰り返された。



「稀代の」と書いてしまったが、実は結構たくさんある。

後に寒村さんが反対していた破壊活動防止法もそうだろう。

最近は特に急激に増えている。



通信傍受法(盗聴法)、住民基本台帳法、有事関連法。

半世紀の日本の歴史を吹き飛ばし、「日本国」を昔の姿に戻すための法整備が着々と進んでいる。

今度は「共謀罪」である。

組織犯罪処罰法が改正され、「共謀罪」という犯罪が生まれることになる。



元々はアメリカからおしつけられた「国際組織犯罪防止条約」のために作られるのだが、市民団体や労組といったまつろわぬ民を狩るために活用されることになるのだろう。

これまで厳しく制限されていた盗聴法の運用が緩和されるというのが、実際上の大きな変化になるようだ。

実行行為をまったく伴わなくても「共謀」と断定されれば、逮捕される。

「共謀した者でも自首すれば刑を軽減する」という条件が付くので、陰湿な密告社会が訪れる。



あなたも簡単に犯罪者にされる。



谷中村滅亡史








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コメント 16

CAT-O

TITLE: Re:谷中村滅亡史(08/24)
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おはようございます。足尾には二度行ったことがあります。高校の頃にU大の社研のお姉さんに連れられて行き、随分歩きまわった疲れました。現場主義...ということを何度も言ってたのが記憶に残ってます。二度目は取引先の工場見学で、風景があまりにも変わっていないので驚きました。荒涼とした風景は映画のロケハンみたいだなと思いました。今では足尾同然、日光の山が酸性霧の為すっかり山枯れしてしまてます。この地は京浜の汚染された空気が地形の関係で滞留し酸性霧をもたらすのです。子供たちにはフィールドワークも大切だと思います。私も子供たちを連れていってないので、今度連れて行こうと思います。
by CAT-O (2004-08-24 08:10) 

chappi-chappi

TITLE: Re:谷中村滅亡史(08/24)
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こんにち爽快♪



>たかが抽象的概念にすぎない国家が具体的な姿をかいま見せるときにどれだけ恐ろしいものか活写している・・・



ほんとにこわいですね。次々に変な法律ができています。

私たちに番号をつけて管理しようとしたり。もうすぐ人を戦地に送れるようにもしようとしているのですね。ほんとに悪い人を取り締まるものは何ひとつとして作ろうとしません。だまされないぞ。



こうも毎日オリンピック見せられると、依然としてポーの一族です。ま、昼間寝とけばいいか。ちゃらんちゃらん。
by chappi-chappi (2004-08-24 12:12) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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CAT-Oさん、こんにちは♪



足尾はお近くなんですね。



明治14年の政変の当時は、日本の国家と資本主義の在り方の原型ができあがったころでしょう。

公害の原点がそこにあるのも必然です。



今も変わらない部分が多いというのは、情けない。

また次の世代に課題を残してしまいました。
by 幻泉館 主人 (2004-08-24 13:09) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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chappi-chappiさん、こんにち晴れてます?



オリンピックにうかれてる間に「日の丸」「君が代」に慣らされて、あっという間に恐ろしいことが進んでいきます。

うるさく言っておかねばねば。



ぼーっの一族です。

歯医者さんに行ったのですが、携帯電話を落としてきたのでまた受け取りに行かねばなりません。
by 幻泉館 主人 (2004-08-24 13:12) 

ゆうぐると

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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こんにちは、幻泉館さん



さむーい部屋で震えながらPCに向かい、上の記事を読んでいてこわ~くなりました。

なんだか、昔に戻っているみたいなへんな錯覚に陥りました。



chappiさんの>私たちに番号をつけて管理しようとしたり。



イギリスではすでに医療に便利だと人体にチップを埋め込む実験をしているし、スイスではペットには必ずチップを埋め込むのが来年から法律にくわえられます。

そのうち人間にもっていうのは、当然あるわけです。恐ろしいです。全ての情報がチップにはっていて、どこにいてもばれてしまうわけです。携帯電話どころの恐ろしさではありません。



ほんとう、わたしたちが意識をきちんと持って、なにが善で悪か、何が真で偽かを見極めていかねばなりませんね。



ナチスのような過ちは決して人間してはなりません。流れに押し流されることほど怖いことはない。

う~ん、小市民としてふんばるぞー、我々には自然や動物が見方にいるんだぞー!!かかってくるならかかってこーい。
by ゆうぐると (2004-08-24 17:34) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[2]:谷中村滅亡史(08/24)
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ゆうぐるとさん、こんにちは♪



>なんだか、昔に戻っているみたいなへんな錯覚に陥りました。



「戦後」を簡単に否定して、なかったことにしようとしている人達がいます。

それが勢いをもっているように見えるのが恐いです。



>イギリスではすでに医療に便利だと人体にチップを埋め込む実験をしているし、スイスではペットには必ずチップを埋め込むのが来年から法律にくわえられます。

>そのうち人間にもっていうのは、当然あるわけです。恐ろしいです。全ての情報がチップにはっていて、どこにいてもばれてしまうわけです。携帯電話どころの恐ろしさではありません。



チップの埋め込みはすごいですね。

かけがえのないひとりひとりの人間のアイデンティティが、「国家」にとっては一つのチップにすぎないわけです。

わかりやすいファシズム。

たぶんそれに身をゆだねるのは楽ちんなことなんですね。

でも、ふんばらにゃ。
by 幻泉館 主人 (2004-08-24 18:32) 

ゆうぐると

TITLE: Re[3]:谷中村滅亡史(08/24)
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幻泉館さん またまたこんにちは



>「戦後」を簡単に否定して、なかったことにしようとしている人達がいます。それが勢いをもっているように見えるのが恐いです。



わたし、外国で暮らしてみて、自分のアイデンティティとしての日本ってものをよく考えるのですが、難しいこと抜きにして、なにかが欠けている気がしてならない。そうするとどうしてもあの戦争にぶち当たる。あの戦争で日本人の、日本文化の何か大切な記憶をなくしてしまったような。もちろん文学とか美術の中にそういうものを見ることはできるんですが、歴史の流れがいったん、ぷっつりときれているような、記憶喪失の時期があるような気がしてならない。その記憶喪失をねらう、おそろしい化け物がいるみたいな。

ちょっと抽象的な言い方しかできないんですが、そんなことをちょくちょく考えます。わたし一人の人間の歴史を振り返って。(戦後の人間ですが‥)





>わかりやすいファシズム。

>たぶんそれに身をゆだねるのは楽ちんなことなんですね。でも、ふんばらにゃ。
by ゆうぐると (2004-08-24 18:38) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[4]:谷中村滅亡史(08/24)
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ふたたびこんばんは♪



文化の空白部分に関してはわかる気がします。

1945年で立前上は一旦切れて、アンタッチャブルになっている部分がありました。



まるで敗戦によって切れたように見えるのですが、でもよく考えると文化破壊が行われたのは戦後ではなく、戦争中です。

文化の空白は超国家主義が作ったのです。

1945年の断絶もさほど大きなものではなさそう。



戦争中に日本がやったことを隠そうとすれば、当然そこは記憶が欠落しますね。

そこをウソで埋めようとするのが、あの新しい教科書がなんたらという連中です。
by 幻泉館 主人 (2004-08-24 19:30) 

おてんとさままる。

TITLE: Re:谷中村滅亡史(08/24)
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こんばんは。



民に平気で物言う彼らは、なぜ今回の普天間基地の大型輸送へリの件でなにも言わないのでしょうね。ちょっとどっちもふざけ過ぎてます。じゅんちゃんの夏休み。この際、ずっと差し上げたかったです。

本のイラストが、ムンクの叫びに見えて…



雪竹太郎さん。そうですそうです。この人です。

ありがとうございました。人間美術館…おお、これこれ。確かにいろんな模写をしてました。

そうでしたね。大道芸のワールド大会、やってるんでしたね。でもフンドシではなく、白い布。おしろいではなく、白いペンキでしたね。かなりいい加減な記憶です。



ところで、週末は海の花火大会ではありませんか?
by おてんとさままる。 (2004-08-24 21:00) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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おてんとさままる。さん、こんばんは♪



「じゅんちゃんの夏休み」って何かと思いました。

コイズミ君のことですね。

もう帰ってこなくてもいいよと。



>ところで、週末は海の花火大会ではありませんか?





お、そうですわ。

行く夏を惜しんで、千本浜で行われるサンセット・ページェント。

まだ一度も行ったことがないんですよ。

今年は行ってみようかしら。
by 幻泉館 主人 (2004-08-24 22:50) 

夢は旅人

TITLE: Re:谷中村滅亡史(08/24)
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こんばんんは。



わたしの祖父は、田中正造に会ったことがあるのを死ぬまで自慢にしていました。当時、奉公先に言いつけられたお使いから帰る途中に「おい小僧」と呼び止められたそうです。

「おい小僧。傘に入れてくれないか」



雨が降っていて、祖父は蛇の目をさしていたけれど田中正造は傘を持っていなかった。祖父はそのまま田中正造を駅まで送ったそうです。



主旨からはずれてしまってごめんなさい。

つい口を挟みたくなってしまいました。
by 夢は旅人 (2004-08-25 00:11) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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夢は旅人さん、こんばんは♪



おお、それは自慢していい話ですよね。

義人田中正造に「小僧」と呼ばれ、傘に入れてあげたおじいさん。

いいなあ。



私はおじいさんというものを知らないので、うらやましいです。

母方も父方も男が短命なんですわ。
by 幻泉館 主人 (2004-08-25 00:24) 

おてんとさままる。

TITLE: Re[2]:谷中村滅亡史(08/24)
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幻泉館 主人さん

こんばんは。



>行く夏を惜しんで、千本浜で行われるサンセット・ページェント。



「サンセット・ページェント」って言うのですね。

ずいぶんとおしゃれな名前だすな。



>まだ一度も行ったことがないんですよ。



ぼくは一度だけ。フィナーレでイルミネーションで装った船団の印象が残っていました。

おてんば高原のビールをボトルで買ってきて、階段に腰掛け、のんびり眺めたのを覚えています。



それにしても、じゅんちゃんには、もうずっとお休みいただきたい。
by おてんとさままる。 (2004-08-25 00:26) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[3]:谷中村滅亡史(08/24)
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おてんとさままる。さん、こんばんは♪



>ぼくは一度だけ。フィナーレでイルミネーションで装った船団の印象が残っていました。

>おてんば高原のビールをボトルで買ってきて、階段に腰掛け、のんびり眺めたのを覚えています。



ほお、船団が出るんですか。

知らなんだ。

きれいなんでしょうね。

今年は行ってみようかしらん。
by 幻泉館 主人 (2004-08-25 00:31) 

大田黒薫

TITLE: Re:谷中村滅亡史(08/24)
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今日はじめてうかがいました。



私の住んでいるところは、谷中村から近いところなので。

私は現在の遊水池の風景をほとんど愛しているのですが、どうしても少し屈折があります。広大な葦原も、「自然」なものではないと考えると。



田中正造翁についてはさほど詳しくありませんが、林竹二さん、鶴見俊輔さんの文章は読んだように思います。様々な解釈があるようですが、民衆を善導しようとした志が、強制執行に最後まで抵抗する人々に接して転換が起きる。善導ではなく、彼らによって支えられているのだという認識の転換。田中正造翁のそういう柔軟さに触れられていたように記憶しています。そして治水の思想。どちらも現代へ繋がるものがあるように思います。
by 大田黒薫 (2004-08-25 02:14) 

幻泉館 主人

TITLE: Re[1]:谷中村滅亡史(08/24)
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大田黒薫さん、、こんばんは♪



林竹二さんとは、また懐かしい名前を思い出させていただきました。

ありがとうございます。



1974年に『襤褸の旗』という映画が公開されました。

吉村公三郎監督、三國連太郎主演です。

キネマ旬報で見かけて、いつか観たいと思ったまま果たせずにおります。



<small> <a href="http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18247/story.html" target="_blank">http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18247/story.html</a></small>
by 幻泉館 主人 (2004-08-25 02:29) 

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